配信教室
男たちの会話に笑い声が漏れて、背筋が寒くなった。


気が付けば俺は沙希の手を握りしめて速足でその場を後にしていた。


あいつらは間違いなく《マッドマン・ムービー》を知っている。


そしてコンテストに参加するつもりだ。


警察に通報しても、きっと取り合ってくれないだろう。


俺はついさっき運営から警告を受けたばかりだ。


派手な行動は避けたかった。


「痛いよ澪!」


沙希の声が聞こえて来てハッと我に返った。


気が付けばデパートを通り過ぎて駅まで来てしまってた。


「ご、ごめん」


慌てて手を離すと、沙希は自分の手をさすりながら不安げな表情をこちらへ向けた。


「ねぇ、さっきの人たちをほっておいていいの?」
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