配信教室
「一緒に動画を作らないか?」


「一緒に?」


俺は目を見開いてエイトを見た。


「あぁ。登録してるならもう気が付いてるんだろ? あのサイトには法律が通用しないことくらい」


エイトの目が輝いている。


俺は返事をしようと思ったが、声が出なかった。


エイトは俺と同じだ。


グロ動画に魅了され、悪魔が顔を出しているんだ。


「俺はそんなの興味ないから」


苦しい嘘だったけれど、そう言っていた。


そう言わなければ自分の中にある防波堤は簡単に崩壊してしまいそうで、怖かった。


絶対に超えてはならないと言い聞かせて来た線を、踏み越えてしまいそうになる。


「そうか。じゃあ、気が向いたら一緒に撮ろうぜ。この学校内にどれだけ配信者がいるか、お前知らないだろ」


エイトはそう言うと意味深な笑顔を俺に向けた。

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