配信教室
「そうだ、言い忘れてたことがあった。この殺し合いで勝って最後の1人になった人には賞金10万円を支払う」


ユリの言葉に教室内がざわめいた。


その10万円はきっと《マッドマン・ムービー》の賞金から捻出するつもりなのだろう。


教室内での殺し合いなんて面白い動画だし、1位になれなくても再生数で金が入ってくることだろう。


「ケチだな」


いつも間にか近くに来ていたエイトがそう呟いた。


「今コンテストの賞金は5000万まで跳ね上がってる。その中で10万なんて、あってないようなもんだろ」


5000万。


その金額にメマイを感じた。


一億なんて、本当にもう目の前の金額じゃないか。


喉がカラカラに乾いていくのを感じる。

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