配信教室
舌を出して口で呼吸を繰り返している。


今ならまだ助かるかもしれない。


だけど、俺は動画を撮影し続けた。


自分の手が犬を殺すなんて、思ってもいないことだった。


気分は高揚し、血の香りを思いっきり吸い込んだ。


このくらいの動画は《マッドマン・ムービー》に腐るほどある。


こんなものを今更公開したって、さほど見てはくれないだろう。


視聴者を稼ぐにはこれからもっと残酷な事をする必要があった。


俺はカッターナイフを握りしめる手に力を込めた。
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