配信教室
自分が望んでいたはずなのに、たった１人の生徒がこれだけ世界を変えるのだと知り、愕然としてしまう。


「澪、こっちだ！」


エイトの声が聞こえて来て振り向くと、エイトと真央がテーブルの下に身をかくしているのが見えた。


出口は相変わらず複数の生徒たちで埋め尽くされていて、とても逃げることはできなさそうだ。


俺と咲紀はエイトたちと同じテーブルに身を隠した。


その反対側のテーブルの下には立花の姿もあった。


立花は青ざめているが、どこかこの状況を楽しんでいるように見えた。


「準也君、一体どうしたんだろう」


沙希が震える声でそう言った。


沙希は純也がイジメられていることを知らないのだ。


「わからない。でもきっと大丈夫だから」


俺はそう言って沙希を抱きしめた。


沙希の体を傷つけていいのは俺だけだ。
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