配信教室
「なんで、スミレが?」


俺はそう呟いて少しだけ顔を出した。


するとそこには生徒に襲い掛かる準也と、それをスマホで撮影しているスミレの姿があったのだ。


それを確認した俺はすぐに身を引いた。


「やばい。スミレは動画を撮ってる」


心臓がバクバクと大きく音を立て始めていた。


準也とスミレはグルだ。


2人とも、《マッドマン・ムービー》のコンテスト参加者だ!


動画配信者が多くいることには気が付いていたけれど、まさかあの2人もだったなんて!


「落ち着け澪。大丈夫だ」


エイトが声をかけて来る。


けれど、生徒たちの殺し合いと類似した動画が先に配信されることになってしまったのだ。


入口が1つしかない食堂で強行に及んだのは偶然なんかじゃない。


みんなが出口に殺到して出られない事を想定して、実行したに違いない。
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