配信教室
鍵は大抵一カ所に集められているものだ。


そう思い、職員室に入ってすぐの壁に固定されている棚へと向かった。


そこには頑丈そうな戸棚がある。


なにか大切なものを入れておくにはもってこいの場所だった。


しかし、そこを開けてみても鍵はなかった。


机の引き出しの中も、本棚もあらゆる場所を探してみても鍵はない。


「もしかして、職員室にはないんじゃないの?」


しばらくして立花がそう言った。


そうかもしれない。


鍵はどこか別の場所にあるんだ。


だとすれば大誤差だ。


鍵のありかを突き止める所からはじめなきゃいけない。


「ちょっと待て、《U》からメールだ」


エイトがそう言いスマホを操作し始めた。
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