配信教室
「どうやって生徒たちを誘導したんですか?」


エイトが険しい表情でそう聞いた。


すると池田先生はなんでないような様子で俺と吐瀉物を指さした。


「きったないわねぇ。ちゃんと掃除しなきゃダメよ?」


「はぐらかさないでください!」


エイトが叫ぶ。


すると池田先生はおかしそうに笑い声を上げた。


まるでおちょくられているような気分になる。


「どうして突然吐いたか、わからない?」


そう聞かれて俺は戸惑った。


いろんな事が目の前で起こり、3階から飛び降りたのが原因だろうと思っていた。


「この香り、いい香りでしょ?」


池田先生が髪をかき上げると、甘い香りがした。


途端に吐き気が込み上げて来て口を押える。


嫌な予感がして心臓がドクンッと大きく跳ねた。

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