配信教室
「一体どうしたんだ」


父親が近づいて行き、電話を代わった。


するとすぐに真剣な表情になりこちらへ視線を向けて来た。


一瞬ドキリと心臓が鳴る。


もしかして年齢を偽って《マッドマン・ムービー》に登録したことが バレたんじゃないかと思った。


けれど、それは杞憂に終わった。


「澪、クラスメートに山本アイリって子がいるか?」


電話を終えた父親がそう聞いて来たので俺は数回頷いた。


地味で目立たない生徒だけれど、確かに同じクラスにいる名前だった。


「山本さんがどうかした?」


「交通事故で亡くなったらしい」


父親の言葉に一瞬目の前が真っ白になった。
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