配信教室
「交通事故って、なんで?」


俺はエイトにそう質問していた。


エイトがそんなこと知っているとは思えなかったけれど、誰かに質問したかった。


「わからない。でも、登校して来てから妙な噂を聞いたんだ」


「噂?」


「あぁ。山本さんはただの事故じゃなくて、誰かに背中を押されて道路に踏み入れたんだって」


エイトの言葉に思わず息を飲んだ。


事故じゃない?


背中を押された?


体中から嫌な汗が吹き出してくるのを感じた。


「それってつまり……他殺?」


自分で言った瞬間、サッと青ざめた。


クラスメートが交通事故に遭ったと言うだけで十分ショックな出来事なのに、それが他殺だなんて信じられなかった。

< 51 / 225 >

この作品をシェア

pagetop