配信教室
サボり
先生に報告すると言って教室を出た俺はそのまま保健室へ来ていた。


「あら、戻って来たの?」


池田先生が俺の姿を見て瞬きをする。


「なんか、教室に居づらくて」


そう言い、パイプ椅子に腰をかけた。


「噂の事が気になってるの?」


そう聞かれたので、俺は素直に頷いた。


山本さんと仲がよかった女子生徒のグループが噂の発端だと話をすると、池田先生は大きなため息を吐き出した。


「それってあまりよくないわね」


「どういうことですか?」


「仲がいいふりしてて、実はそうでもなかったのかも。亡くなった事でいいように噂を立てられた可能性もあるわよね」


真剣な表情でそう言う池田先生。


俺は教室内で涙を浮かべていた生徒たちを思い出した。
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