配信教室
ここからは丁度学校の裏側が見える。


先生の車が止められている駐車場になっているが、その一角に生徒たちの姿を見つけた。


全員男子生徒で、どうやら1人を取り囲んでいるらしい。


「なんだあれ、イジメか?」


勇志が呟いた。


恐らくそうなんだろう。


ちょっと生意気な奴をシメるくらい、俺たちだって経験がある。


「準也君だよ」


立花がそう言った。


準也もクラスメートの大人しい男子生徒だった。


相手の人数は5人。


どう考えても準也1人で勝てるとは思えなかった。


「あいつら2年生なの。準也君が廊下でぶつかったとかなんとか、教室までいちゃもん付けに来たんだから」


そう言う立花の声には怒りが含まれていた。
< 77 / 225 >

この作品をシェア

pagetop