加奈の場合
今よりもっと、友達の妹ってよりもっと、近くにいたい。
近い存在になりたい。
「 理雄さん目当てなんて、どうしてそう思うわけ? 聖ちゃ… うちのお兄ちゃんの友達の弟が同じ学校って聞いたから友達にって思っただけだよ、ダメなの?」
……ふふ、んふふ。
女は口が達者だからね、絶対 友達になるんだから!
「 わかった… じゃ よろしく、加奈 」
お……
名前、加奈って呼んだじゃん。
しかもあの顔、理雄さんに似てる。
いいなぁ 弟……
弟の皐月と友達を始めた。
理雄さんの話をしたい時は必ず聖ちゃんの話をしてから、交えて話す。
皐月と話しているうちわかった事がある、皐月が理雄から渡される紙袋は洗濯物だった。
何でも、理雄が一人暮らしを始めたらしく、洗う物によってだが親に言われて受取りに行っていたらしい。
「 皐月、一緒にデパ行かない? 私、バイトは土日だけだから 」
「 いいよ、付き合う。どうせ兄貴に貰うものあるから 」
やった… やったぁ!!
理雄さんに会える~
そして、私に悲劇が訪れるなんて露知らず。
気分はスキップ状態。