残り100日の私と大好きな君
「………………私、もうすぐ、死んじゃう……癌…なんだって。もう、体中に広がっちゃって、治せないの……

私、苦しいの…嫌なのに……お医者さんとか、お母さんは、治療しろって言う………………治療しても……治らないのに…………

どんなに苦しい思いしても……辛くても…………私は、死んじゃうのに…どんなに頑張ったって………………生きれないのに…」

言葉を振り絞るように、そう言いった咲楽ちゃんは、小さく震え、僕の手を、もう一度握った。

「死にたくない……」

僕は、なんて言葉をかけていいのか、わからなかった。

誰よりも、体で自分の死期が近いのを感じている咲楽ちゃんに"死なないから大丈夫"なんて

あんなに治療頑張っても死んじゃう咲楽ちゃんに"頑張れ、頑張れば治るよ!"なんて

こんなに死に怯えている咲楽ちゃんに"怯えないで"なんて

言えるはずがなかった。
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