残り100日の私と大好きな君
その心地よい眠りもわずかに、看護師さんの声に名前を呼ばれて起こされる。

「咲楽ちゃん、放射線治療の時間になったから、治療室行こうか」

看護師さんは私を支えて、体を起こしたあと、たぶん、車椅子の所まで誘導してくれる。

立った時に少しフラッとしたけど体勢を持ち直して少しずつ歩く。

「咲楽ちゃん、頑張ってね!」

奏汰くんの声がして、私は見えないけど声のした方に顔を向けてコクンと頷いた。

「じゃあ行きましょうか」

その掛け声と共に、車椅子が押されて動き出した。
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