残り100日の私と大好きな君
放射線は意外とすぐ終わった。

けど、辛かったのはそのあと。

放射線をやっている時から薄々、熱が上がってきた気がしていたけど、病室に戻る頃には、本格的に熱がではじめていた。

看護師さんが計ってくれた限りでは、38.2だったけど、ちょっと経った今、もっと上がっているような気がする。

少しボーっとする頭はガンガンと痛み、寝る前の吐き気も徐々に復活してきている。

話すのも少し辛くて、私は奏汰くんに手を握られながら、目をつぶってベッドに横たわっていた。

奏汰くんは優しくて、ずっと私の手を握っていてくれる。

温かくて、大きくて、優しくて、大好きな奏汰くんの手。

その手に私はかなり励まされた。

何も言わなくても"頑張れ"って言ってくれているような気がした。
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