残り100日の私と大好きな君













「………………らちゃん、咲楽ちゃんっ!!!!」

大きな声で…………目が覚めた。

あぁ、やっぱり夢……

ほっぺたもつねったのに…

てことは、私は今…………

「咲楽ちゃん、咲楽ちゃんっ、ダメだよ。今逝ったらダメだからね!!!!明日、海、行くんでしょ!?」

あれ、私、死ぬの?

そういえば、体が燃えるように熱くて、思考が回らない。

声も、出ない。

あぁ、なんだ。

全然、良くなってないじゃん……

やっぱり、死ぬんだ。

体中が痛いな……

奏汰くんの声に答えたいけど、答えられない。

海すら行けずに…………死ぬのか…

そう思うと、悲しくて…虚しくて……涙が出てくる。

「咲楽ちゃん、死なないでっ、まだお出かけしてないでしょ!?海、行くんでしょ!?ねえ、答えてよっ!!!!」

奏汰くんが泣いてる、大きな涙をたくさん流して泣いてる。

目は見えないけど、握られた手に落ちてくる水滴でわかる。

海、行きたいな…

このままの体でいいから、行こうよ、海……

声も出ないけど…条件、守れてないけど……

行きたいんだもん。

人生最後の願いくらい……叶えさせて…

ダメだ…………頭が、ぼんやりしてくる……

まだ、逝きたくない…

死にたくない……




でも、その思いと反して、私の意識はズッと闇の中に吸い込まれていった。
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