残り100日の私と大好きな君
最後のワガママ
それから、奏汰くんは私の点滴をそっと外してくれて、心電図のモニターも電源を切って外してくれた。

なんだか、悪い気分になる。

でも、いいんだ。

奏汰くんを巻き込んじゃうのは申し訳ないけど、どうしてもやりたかったことだから。

「よしっ、じゃあ、行こうか!!」

そう言って、奏汰くんは私を車椅子に乗せて、ブラッケットをかけ、帽子を被してくれる。

「見つかったら、逃げるぞ!」

そう悪戯っぽく言って、またふふっと笑った。

「うんっ、二人で…………逃げよ…う………ね」

そう言って、奏汰くんは、車椅子を押し進みはじめた。
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