学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
───っ?!
嘘でしょ?!
なんで?!
「っ!…ゴホッ、ゴホッ」
「ちょ、大丈夫?緒方さんっ」
思わずむせてしまった。
だって、無理ないよ。
後ろの家庭科室の窓から上半身を出して、こちらを覗き込んでいるのは…。
紛れもない、うちのクラスの柊くんなんだもん。
なんで柊くんが私に話しかけてるの?
っていうかなんでここにいるの?
正直、軽く頭の中はパニックである。
「ごめんね、びっくりさせちゃって」
眉毛を少し下げてから謝る柊くんだけど、改めて見るとやっぱりすごくカッコいい。
あんまり長いこと見られないや。
だんだん顔が熱を持っていくのを感じて、目線をお弁当に戻す。