学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
「俺がここに来るって言うのは…他の人たちには内緒ね」
「えっ…あ、はい…」
みんなに愛される柊くんがみんなに内緒にしたいこと…か。
「俺と緒方さん、2人だけの秘密ね」
「…っ、」
私と柊くんだけの秘密?!
2人だけの秘密なんて…そんなこと言われたらまた変にドキドキしちゃうよ。
「柊くん…お昼─────」
「おい柊〜〜!!」
っ?!
誰かに名前を呼ばれて柊くんが振り返った。
あぁ、被っちゃった。
勇気を出しても、こう言うこと結構あるんだよな、私。
「あぁ、今行く〜〜!」
柊くんが家庭科室のドアの方に向かって、そう言った。
すぐにお友達が探しに来てくれるような人、それが柊くんだ。
柊くんとお昼休みを過ごしたい子だってたくさんいるだろうな。
「じゃあね、緒方さん。今度、それ俺にも食べさせてね」
「あっ、」
────っ!!
ニコッと笑った柊くんは、私の頭に手を置いてから、家庭科室を後にした。