学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
「ねぇ、緒方さん」
柊くんが歌い終わってパチパチとたくさんの拍手をもらっている時、
不意に声をかけられて顔を向けるとクラスの人気者の女の子がこちらを見ていた。
「は、はい。何でしょうか…」
増田くんと鈴香ちゃんの歌うデュエットが聴こえてくる。
「…付き合ってるのかな?柊くんと」
大音量で曲が流れる部屋では、彼女の声が聞こえにくい。
だけど、確かに聴こえたそのセリフだけで私の耳は熱くなって体のあちこちから汗が吹き出た。
私と柊くんが付き合ってる?!
そんなことあるはずがない。
私みたいな地味な女子、柊くんと釣り合うわけがないし…。
「あ、えっと…」
緊張で思うように声が出てこない私に、女の子はもう一度、今度は口を少し大きく開けて話した。
「最近いい感じだよね?柊くんと高城さん」
「えっ、」