学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
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「プール?!」
「そ。4人で」
と鈴香ちゃん。
私の席を囲むように集まった、柊くん、鈴香ちゃん、土田くん。
3人は、夏休みの初日、早速4人でプールに行こうと言い出した。
「えっと…」
「何。静音、予定あるの?」
私の机に両手をついて前のめりで聞いてくる鈴香ちゃんは、まるで容疑者に圧をかける刑事さんみたいだ。
「いや、実は…泳ぐのが苦手でして」
やっと出て来た言い訳を吐き出すけど、理由は他にもある。
私が持ってる水着は学校指定のスクール水着くらいだし、
第1人前で露出の多い格好なんか、柊くんの見てる前で着るのは無理がある。
「いやいや、そんな体育の授業じゃないんだから…なんていうか、水に浮かぶ程度だよ?」
やっぱり、泳ぎが苦手なんて無理あったかな…。
「んー…それだけじゃないんだけど…」