学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます


『鈴香ちゃんは柊くんのことが好きなの?』

『柊くんは鈴香ちゃんのこと好きなの?』


2人に本当に聞きたいことは、絶対聞けない。


『うん』

ともし返事が返って来たら。


私は今みたいに2人と接することはできないだろうし。


「今年の夏休みは、今までできなかったこと全部やるんだ!花火大会にも行きたいな〜浴衣着て。あ、静音も着るよね!浴衣!」


私と始めて仲良くしてくれて、始めてできた女友達。


大切にしたいのに、嬉しいのに、


そんな友達と同じ人が好きだったらどうしよう。


「静音、聞いてる?」


「あ、うん、ごめん!」


「夏休み楽しみすぎて上の空ってか〜?」


鈴香ちゃんはそう言って、私の頭をクシャっと撫でた。


「楽しみだね、夏休み!」


そう笑った友達に


「うん」


と心から笑えていない笑顔で返事をした。


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