学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
「ったく!あいつどこに行ったんだ!」
っ!!
泉先生のそんな声が下から聞こえて、私はいるのがバレないようにと息を止めた。
「泉先生と何かあったんですか?」
先生が向こうに行ったのを確認してから、話を聞く。
「学校来いってうるさいから来てやったのに、私の顔見るなり『なんだその格好は』って怒鳴りだすからさ。言い返して逃げてやった。今回は私の勝ちだな」
金髪女子は満足そうに笑う。
泉先生が怒鳴ってたってことは…もしかしてこの子…同じクラス?
「あのクソメガネ、泉っていうの?」
「うん。普段は優しいから怒鳴ってるの聞いてびっくりして」
「なんだよ。私にだけかよ。クソが。あ、私、高城 鈴香(たかじょう れいか)。よろしく」
「あ、えっと、2-4 緒方 静音です。よろしくお願いします!」
そう言って深くお辞儀をする。
「え〜タメでしょ?なんで敬語〜ウケんだけど。静音ね。覚えた。じゃ」
「え、あのどこに…」
「帰るの。またね、まぁまた来るかわかんないけど」
高城さんはそう言って、私に拾ったランチバッグを渡してから、階段をスタスタと降りた。