学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
第11章 2学期
「…ね、…静音」
安心する優しい声が聞こえる。
この声、大好きだ。
「しーずーねっ」
「ひゃっ!」
バッと布団を剥ぎ取られて、声を出したのと同じタイミングで目を開ける。
「うわっ!悠ちゃん?!」
「おい。うわってなんだ。うわって」
「っ、だって…」
朝から悠ちゃんがうちにいるなんて、私が小学生のころ以来だもん。
しかも、なんで私の部屋に?
「おはよう。静音」
「うっ、お、おはよう。悠ちゃん」
「おばさんが心配してたぞ。いつもは弁当作るために必ず早く起きるのにって」
「え、ママが?」
ベッドの横にある目覚まし時計を見ると、時刻は6時半を過ぎていた。
「あぁ。おばさんはもう出たよ。なんかあったか?静音が寝坊なんて珍しいじゃん。今日から学校だろ?」