学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
「隣町の総合病院。そこの屋上に行ってみな」
「えっ、」
「これは俺の独り言だからね」
「柊くん…」
それって…。
病院ってどういうこと?
鈴香ちゃんが病院にいるってこと?
「鈴香ちゃん、病気なの?!」
なんでそんなこと、柊くんだけが知っているの?
聞きたいことは増えていく。
「高城は元気だから。安心して。ただ、静音はもう高城と会っても大丈夫なの?」
「……っ、」
「静音?」
どうしていいかわからないんだ。
鈴香ちゃんに会いたいし、感謝してることばかりだ。
だけど、あのキスへの複雑な気持ちがなくなってる訳でもない。
「会うことで鈴香ちゃんを傷つけちゃったらどうしようって不安がないわけじゃない」
「うん。2人の間に何があったのかは聞かないけど、高城にとって今もずっと静音は大切な人に変わりはないと思うよ」
「…うん、ありがとう」
「ただ、俺にとっても静音が大切で、特別だから、それも忘れないで」
「っ、柊くん…」
柊くんは、それから黙ったまま、私の手をギュッと握りしめてくれた。