学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
第13章 学園祭
「おっはよー静音ー!!」
翌朝の登校途中。
後ろから、元気に私の名前を呼ぶ声がしたかと思うと、ガバッと肩を掴まれた。
「鈴香ちゃんっ、おはようっ!」
また、鈴香ちゃんといられる時間が始まる。
それが、すごく嬉しい。
鈴香ちゃんがいない間、不安で寂しくて仕方なかったんだから。
「おはよう。静音」
「へっ…」
突然、頭にポンと何かが置かれたので顔を上げると、
そこには爽やかな笑顔をこちらに向けている柊くんが、私の頭に手を置いていた。
「ちょっと、柊。静音にだけ挨拶かよ。私も居るんだけど」
鈴香ちゃんは、そう言って柊くんをキッと睨む。
「あれ、高城いたんだね。おはよう。もう学校来ても大丈夫なのか?」
「白々しい…。本当は来て欲しくなかったんだろ〜?静音のこと独り占めできるから」
「別にそんなこと…」
「思ってるね!顔に書いてある!」
2人は、私を挟んだまま言い合いを続ける。
何だかんだ、この言い合いを見るのも、楽しかったりする。
前は、2人が両想いなんじゃないかって少し心配がチラついたりして来たけど。