学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
─────ガラッ
「お!柊!」
「柊くんおはよ!」
「柊くん、これ借りてたノート!本当助かったよ〜!」
教室のドアが開けられて、ある人物が入って来ると、クラスの空気が一気に変わり、クラスメイトの何人かがその人物を囲んだ。
その輪だけ、まるで漫画の世界を切り取って貼り付けたかのような輝き方をしている。
「はよー、みんな。あ、全然いいよ。俺の字読めた?」
「読めるに決まってんじゃん!柊くんみたいに綺麗な字書く男子見たことない!」
「あははははっ、大げさ〜」
柊 絢斗くん。
学年の人気者である彼は、爽やかな優しい笑顔を振りまいて、朝から女の子たちをうっとりさせた。
柊くんの人気は顔がすごくかっこいいことももちろんそうだけど、誰にでも平等に優しいというのが、彼の1番人気の理由だ。
もちろん、私みたいな地味で暗い女子が関われる相手じゃないんだけどね。
誰もが憧れる、王子様。
それが柊 絢斗くんだ。