学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
第14章 恋心
恥ずかしい。
バカみたい。
もっと上手に言えなかったんだろうか。
完全に嫌われた…。
まぁ、嫌われて柊くんが関わることがなくなれば、小野さんたちが鈴香ちゃんに嫌がらせすることはなくなるわけで…。
甘い香りのするお店を目の前に何度もため息をつきながら、ケーキを箱に詰めて笑顔で接客してる幼なじみを見る。
こんな時は、甘いものを食べて忘れよう。
忘れられるわけがないけれど、今は正直、どうしていいかわからない。
あの後、空き教室に置いてあったカバンをとって、気付いたら家に帰ってきていた。
鈴香ちゃんにも、お疲れ様と声をかけないといけないことはわかっていたけど、どうしても今は言える状態じゃない。