学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
──────カランカラーン
「いらっしゃいませ〜…って、静音?」
店内に入ってきた私を目にして、目の前の幼なじみは目を丸くして驚いた。
「学園祭終わったの?6時から後夜祭じゃなかった?」
そういいながら、悠ちゃんは店内にある掛け時計に目をやった。
時刻は5:48。
「うん…なんだか…疲れちゃって…すごく…甘いものが食べたい」
大好きな人に酷い言葉をかけちゃったとか、うまくいくように見えていた学校生活がまたダメになるかもしれないとか、
全部口には出せない。
「そっか。ちょうどよかった」
「え?」
「今、新作のケーキできたばかりで。あ、俺が考えたんだけどな。まぁまだ試作の段階だけど、食べてくれる?」