学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます


「だけど、苺よりこっちを手に取った人が、味を知って初めて、この良さに知ってくれてもいいのかなって思うんだ」



悠ちゃんは照れ臭そうに笑いながら続ける。


「どんなに味が良くても見た目のインパクトは大切だけど、中身だけで勝負してるケーキもあっていいんじゃないかって」



「何があったのかわからないし、今聞くことかもわからないけど。例え最初は分かりづらくたって、理由がわからなくなって、静音の優しいところとか、繊細なところとか、中身をちゃんと知ってる人は、静音がこんな顔してすごく悩む真面目な子だってこともわかってくれてると思うよ」



「悠ちゃん…」


まるで、今までのこと全部見てたみたいに色々わかっちゃうんだもん。


自然と涙が溢れて止まらない。


「悠ちゃんは…すごいね」


溢れる涙を拭きながらそう声を出す。


「何言ってんの〜。静音、口には出さないけど顔にでるタイプなんだからわかっちゃうよ」


「うっ、それはそれでどうなんだろう…」


「ハハッ、いいんじゃない?その方が安心」


悠ちゃんはそう言って笑いながら私の頭をくしゃっと撫でた。



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