学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
「…うん。私もこの解き方で解いたよ。答えも同じ」
幸い、その問題は私もちょっと苦戦してすごく調べたところだったからよく覚えていた。
「よかった〜なら安心だわ」
柊くんはホッとしたように笑うと、『ありがとう』と優しくそう言った。
数日前まではすごく緊張していたのに、柊くんが笑いかけてくれるたびにホッとする。
「へー!緒方さん数学得意なの?」
っ?!
突然、柊くんの正面に向かって座っていた男の子にそう話しかけられて、びっくりする。
しかも、私の名前知っててくれてる。
「何言ってんの。緒方さん、毎回テスト20番以内に名前入ってて張り出されてるよ。ね、緒方さん」
っ!!
「え、あ、えっと…は、いっっ」
なんで、柊くんがそんなこと知ってるの?!
柊くん以外の男の子と学校で初めて喋ったこと、教室で柊くんが話しかけてくれたこと。
びっくりしすぎてどうにかなりそうだけど、単純に嬉しい。