学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
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「はぁ?留学?!」
「…お前の耳はどーなってんだ。耳じゃなくて頭か。留学じゃない。留年だ」
「あぁ、留年」
「あぁって…お前な…」
休み時間、トイレから帰ってきた鈴香ちゃんと私を引き止めた泉先生は、呆れながら頭をかいた。
どうやら、鈴香ちゃんは留年が決定しそうな様子。
そりゃそうだよね。
ろくに学校に来てなかったし、校則違反はバッチリだし。
そんな子と連れションするくらいの中になってる自分に、私が1番戸惑っているのだけど。
「このままだったら、みんなと卒業できないぞ?やっと学校に来られるようになったのに」
鈴香ちゃんは泉先生のこと嫌いだっていうけど、先生も本当はすごく鈴香ちゃんのことを思って言ってくれてるんだよね。