学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます
「柊くん、そのアイスどこで…」
隣で、ソーダ味のアイスを食べている柊くんに控えめに聞く。
学校の購買にアイスは売っていないはず。
仮に朝にコンビニに寄って買ったとしても、溶けて液体化しているはずだし。
うちの学校は、お昼休みに学校の外に出るのは禁止されている。
それなのに、どうして柊くんはアイスを食べているんだろう。それも校舎で。
「あ、静音も食べる?」
「えっ、食べないよっ!」
また柊くんは変なことを。
何度、アレを意識させたら気がすむのよ。
「実は、もう一本あるんだ〜」
「へっ、」
柊くんは得意げな顔をしてから、ヒョイっと後ろの窓に吸い込まれるように飛んで、家庭科室に着地する。
私は立ち上がって、柊くんの様子を窓の外から見つめる。
「ジャーンッ!」
柊くんはそういうと、白い長細い箱に手を広げて私に見せた。
それって…。
「冷蔵庫…」
柊くんが嬉しそうに見せてるそれは、家庭科室の冷蔵庫だ。