学年一の爽やか王子にひたすら可愛がられてます


「柊くん、そのアイスどこで…」


隣で、ソーダ味のアイスを食べている柊くんに控えめに聞く。


学校の購買にアイスは売っていないはず。
仮に朝にコンビニに寄って買ったとしても、溶けて液体化しているはずだし。



うちの学校は、お昼休みに学校の外に出るのは禁止されている。


それなのに、どうして柊くんはアイスを食べているんだろう。それも校舎で。



「あ、静音も食べる?」


「えっ、食べないよっ!」


また柊くんは変なことを。


何度、アレを意識させたら気がすむのよ。


「実は、もう一本あるんだ〜」


「へっ、」


柊くんは得意げな顔をしてから、ヒョイっと後ろの窓に吸い込まれるように飛んで、家庭科室に着地する。


私は立ち上がって、柊くんの様子を窓の外から見つめる。


「ジャーンッ!」


柊くんはそういうと、白い長細い箱に手を広げて私に見せた。


それって…。


「冷蔵庫…」


柊くんが嬉しそうに見せてるそれは、家庭科室の冷蔵庫だ。


< 93 / 341 >

この作品をシェア

pagetop