四季
13
学校からの帰り道。俺と春は並んで歩く。
「今日の地域散歩の計画、早く終わったね」
「そうだな。翔太がいたからじゃないか?」
「そうかもね。その翔太君はサッカー部なんだよ?」
「へえー、学級委員長とサッカー部のかけもちか……。にしても、爽やか過ぎるな翔太」
「女子から人気だよー」
「モテモテだな」
「そうだね」
そして、俺達は黙ったまま歩く。
もう少しで別れるというところで春が沈黙を破った。
「私、三日後に誕生日なんだー」
「えっ! マジ? お祝いでもする?」
「誕生日に両親が出張から帰って来るから別にお祝いとかいいよ」
「誕生日プレゼントぐらい渡したいよ。何がいい」
「ケーキかな。イチゴケーキ」
「イチゴのショートケーキでいいよな。でかいのはちょっと……」
「いいよ。ありがと」
「両親が土曜日に帰って来るから、金曜日に前祝いってことでいい?」
「うん。金曜日は一緒に私の家に来てね? ケーキは帰りに買っていこう。そうだ、お祝いグッズを買わなきゃ」
「はりきってるな。わかった、じゃ、そういう事で」
「また、明日!」
「明日な!」
俺と春は別々の方向へ歩き出す。明後日が楽しみになってきた。少しウキウキしながら家へと歩く。
※
ガラガラ。
「ただいまー」
しーん。
誰もいないのか。居間に行くと驚いた。猫がいるのだ。
「にゃーお」
これは、みーちゃんじゃないか。全身白い毛に覆われた猫。額に星みたいな黒い模様がある。やっぱり、あのみーちゃんだ。しかし、なぜみーちゃんがここに……。
「たっだいまー!」
夏美が帰って来た。猫の餌を買ってきたらしい。
「ほーら、良男(よしお)、餌だぞー」
良男って……。俺は、みーちゃんがいいのに……。
「夏美か? 猫、つれてきたの」
「まあね」
「ところで、その猫、良男って言うの?」
「あたしが命名しました。良い男で良男。どうだ」
「仕方ない。じゃ、良男という事で」
猫とじゃれつく夏美。テレビを見る俺。まったりとした時間が流れていく。
親父が帰ってくるなり驚いていた。結局、夏美が面倒をみるという事で決着し、良男はこの家で暮らす事になった。
俺は、良男におやすみの挨拶をして、早めにベッドに横になった。
※
学校からの帰り道。俺と春は並んで歩く。
「今日の地域散歩の計画、早く終わったね」
「そうだな。翔太がいたからじゃないか?」
「そうかもね。その翔太君はサッカー部なんだよ?」
「へえー、学級委員長とサッカー部のかけもちか……。にしても、爽やか過ぎるな翔太」
「女子から人気だよー」
「モテモテだな」
「そうだね」
そして、俺達は黙ったまま歩く。
もう少しで別れるというところで春が沈黙を破った。
「私、三日後に誕生日なんだー」
「えっ! マジ? お祝いでもする?」
「誕生日に両親が出張から帰って来るから別にお祝いとかいいよ」
「誕生日プレゼントぐらい渡したいよ。何がいい」
「ケーキかな。イチゴケーキ」
「イチゴのショートケーキでいいよな。でかいのはちょっと……」
「いいよ。ありがと」
「両親が土曜日に帰って来るから、金曜日に前祝いってことでいい?」
「うん。金曜日は一緒に私の家に来てね? ケーキは帰りに買っていこう。そうだ、お祝いグッズを買わなきゃ」
「はりきってるな。わかった、じゃ、そういう事で」
「また、明日!」
「明日な!」
俺と春は別々の方向へ歩き出す。明後日が楽しみになってきた。少しウキウキしながら家へと歩く。
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ガラガラ。
「ただいまー」
しーん。
誰もいないのか。居間に行くと驚いた。猫がいるのだ。
「にゃーお」
これは、みーちゃんじゃないか。全身白い毛に覆われた猫。額に星みたいな黒い模様がある。やっぱり、あのみーちゃんだ。しかし、なぜみーちゃんがここに……。
「たっだいまー!」
夏美が帰って来た。猫の餌を買ってきたらしい。
「ほーら、良男(よしお)、餌だぞー」
良男って……。俺は、みーちゃんがいいのに……。
「夏美か? 猫、つれてきたの」
「まあね」
「ところで、その猫、良男って言うの?」
「あたしが命名しました。良い男で良男。どうだ」
「仕方ない。じゃ、良男という事で」
猫とじゃれつく夏美。テレビを見る俺。まったりとした時間が流れていく。
親父が帰ってくるなり驚いていた。結局、夏美が面倒をみるという事で決着し、良男はこの家で暮らす事になった。
俺は、良男におやすみの挨拶をして、早めにベッドに横になった。
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