四季
34


「良くやったな、冬真。夏美も凄かったよ。あのスリーポイントシュートはマジで凄かった!」
「……疲れた」
「あたし、中学生の頃、バスケ部だったから」
「にしても、惜しかったなあ。あと一点で勝てたのに。夏美、次も頑張れよ。冬真に勝ったんだから優勝間違いなしだ」
「ありがと。応援してくれる?」
「応援かあ。時間が有ればな」
「そう言えば、サッカーの試合があるんだっけ?」
「そう。だから、ごめんな」
「わかったよ。試合、頑張って」
「はいよ」
「そうだ、翔太君の試合の結果を教えてね」
最後に小さく囁き、夏美は休憩モードに入った。
俺は、向きを変え、イスに座っている冬真に話かける。
「冬真、マジで良くやったな」
「勝たなきゃ、意味ない」
「でも、お前、マジでかっこよかったぜ!」
「……」
「照れるなよ!」
「べ、別に、照れてなんかない」
冬真はタオルで顔を隠す。
「さて、俺は弁当を忘れた。だから、な?」
「またかよー」
「いいじゃねーかよ。減るもんじゃないし」
「減るよ!」
「まあ、お昼、楽しみにしてるぜ」
「……」
「久しぶりにみんなで食べようぜ?」
「……わかったよ」
そこで会話が終わった。
俺は翔太の試合を観にいくことにした。





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