四季
35


校庭に出るとすでに試合は後半戦に突入していた。
点数は0対0。
いい勝負なのかもしれない。
早速、観覧。
翔太の動きが良い割りに味方が動いてくれない。翔太以外はサッカー部員じゃないから当たり前と言えば、当たり前だが。
それでも、翔太はドリブルを駆使して相手に攻め入る。しかし、翔太に敵のマークが付きボールを奪われる。
相手チームは、三年三組。サッカー部員は二人。翔太のクラスとは違い、みんなが良く動いている。
これが差になったのか、相手のコーナーキックで一点取られてしまった。
三組の応援達がワーッと歓喜する。
そのまま、翔太の活躍もむなしく、その一点で負けてしまった。
挨拶を終え、フィールドから帰ってきた翔太は爽やかに俺に言う。
「負けちゃった」
負けたとは思えないほど爽やかだった。さすが爽やかイケメン。
気にするなと言おうとしたところに翔太のとりまきの女子達が寄ってくる。俺は流れにおされ退場だよ、まったく。
ある意味勝利は翔太のものだった。





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