四季
44


冬真 side

「それで受験大学は光岡大学で良いのですね」
「はい……」
「念のため他の大学も受けなさい」
「はい……」
「先生、冬真は光岡大学に合格できますか?」
「微妙な成績ですね。油断をしたら落ちるでしょう。ですので、これから気を引き締めて勉強して下さい。わかりましたか、冬真さん?」
「はい……」
「先生、親としては安全圏の大学を薦めたいのですが」
「母さん、オレは姉さんの入った大学に行きたいんだ。他の大学では意味が……ない」
「……」
「とにかく、あまり深刻に考えない方がいいですよ」
「はい」
「では、何か質問などはありませんか?」
「先生、冬真の友人関係はいいですか? 今はだいぶ気持ちは落ち着いているけれど、前はかなり落ち込んでいたみたいで。少し心配です」
「そうですね……冬真さんは……悪くはありませんよ。まだ少し友達と距離を置いている気がしますが」
「そうですか。少し安心しました」
「他にはありますか?」
「「……」」
「それでは、終わりにします」


End





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