四季
四季6
51
千秋 side
「結局また長期入院かあー」
「俺がいるじゃん!」
長期入院が決まった私に、蒼太はニコニコしながらまとわりつく。
「なんかむかつく」
「むかつくなよお。長い付き合いじゃないか。これからもよろしくな」
「よろしくなんてしたくないよ」
そして、蒼太はニコニコしながら言った。
「七月の終わり頃に花火大会あるでしょ? あれ、ここからでも見えるんだ」
「千秋、去年も見たから知ってるよ」
「確かに一緒に見たな。でも今年は屋上で見ようぜ? あそこは眺めがいい」
「許可もらったの?」
「こっそり行けば問題ない」
「えーやだよー。一人で見れば?」
「何言ってんだよ。千秋がいなきゃ意味がない」
「……。仕方ないなあ」
「じゃ、楽しみにしてるぜ。バイバイ」
「バイバイ……」
蒼太が病室を出て行ったあと、お父さんとお母さんがやって来た。
そこでこの病院に入院している森田君が亡くなったことが伝えられた。
あまり会話をした記憶がなく、印象が薄い森田君だったが、年齢が近いので森田君の死亡は私に死を意識させた。蒼太は知っていたのだろうか。あの笑顔は私を不安にさせないためだったのだろうか。それは蒼太自身にしかわからない。
お父さんとお母さんが帰ったあと、病室の窓から星を見つめた。
End
※
千秋 side
「結局また長期入院かあー」
「俺がいるじゃん!」
長期入院が決まった私に、蒼太はニコニコしながらまとわりつく。
「なんかむかつく」
「むかつくなよお。長い付き合いじゃないか。これからもよろしくな」
「よろしくなんてしたくないよ」
そして、蒼太はニコニコしながら言った。
「七月の終わり頃に花火大会あるでしょ? あれ、ここからでも見えるんだ」
「千秋、去年も見たから知ってるよ」
「確かに一緒に見たな。でも今年は屋上で見ようぜ? あそこは眺めがいい」
「許可もらったの?」
「こっそり行けば問題ない」
「えーやだよー。一人で見れば?」
「何言ってんだよ。千秋がいなきゃ意味がない」
「……。仕方ないなあ」
「じゃ、楽しみにしてるぜ。バイバイ」
「バイバイ……」
蒼太が病室を出て行ったあと、お父さんとお母さんがやって来た。
そこでこの病院に入院している森田君が亡くなったことが伝えられた。
あまり会話をした記憶がなく、印象が薄い森田君だったが、年齢が近いので森田君の死亡は私に死を意識させた。蒼太は知っていたのだろうか。あの笑顔は私を不安にさせないためだったのだろうか。それは蒼太自身にしかわからない。
お父さんとお母さんが帰ったあと、病室の窓から星を見つめた。
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