四季
67


年が明けて一月。
受験生の俺は、正月とか関係無く勉強した。
そして、今日と明日は一次試験の日。
雪がちらちらと降っている。
「大樹、緊張するね」
「ああ」
冬真も緊張しているようだ。
「大雪にならなくて良かったよな、冬真」
「そうだね」
「俺は今から少し勉強する。冬真も勉強しとけ」
「わかった」
使い古しの教科書や参考書を読む。なぜかそれだけでリラックスできた。
あとは、成果を残すだけ。
気付けば試験開始十分前。
俺は参考書などをしまい、鉛筆やら消しゴムやらを机の上に用意。
問題用紙と解答用紙が配られる。
試験開始まであと少し。
俺は目をつむった。
そして、チャイムがなった。





一日目が終わり、二日目が終わり、月曜日。
「冬真、どうだった?」
「まあまあかな。大樹は?」
「マークミスが怖い。マークミスがなければ、そこそこ取れてると思う」
「次は二次試験だね」
「ああ。不安だよ」
「今まで必死に勉強してきたじゃない」
「だがなー。二次試験はけっこう難しいからな」
「でも、頑張ろうよ。あともう少しなんだから」
「ああ。冬真もな」
「わかってる」
一次試験中に降ったり止んだりしていた雪は景色を白に染める。
白の景色に彩りが戻るのは、しばらくあとだった。





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