四季
70
合格発表の日。
俺と冬真は光岡大学の掲示板の前。もう少しで合格発表がなされる。
俺は受験票とにらめっこして時間をつぶした。
そして、ついに合格発表。
ところどころ歓喜でわく、一方ではどよめきが聞こえる。
合格者が次々とラグビー部に胴上げされる中、俺はゆっくりと番号を追った。
「あった! あった!」
歓喜した。しかし、冬真は顔を曇らせながら番号を追っている。
「あったか?」
「待って……もう少し……」
「……」
「あった! あったよ大樹!」
「マジで!? やったな! おめでとう!」
「大樹こそ!」
俺と冬真は無事合格。残るは……。
春の姿を大勢の人の中から探す。しばらくたっても見つからない。
春は受かったのだろうか、受からなかったのだろうか、不安になる。
ふと、近くをよこぎった人が春の面影と重なる。
「春!」
振り向く女性は……。涙を流す春だった。
「春……。お前……。ダメだったのか……?」
しばらく沈黙したのち春が口を開く。
「私……、私……、光岡大学に……、受かってた……」
「えっ?」
「受かってた! 受かってたよ!」
「そりゃ良かった! これでみんな合格だ」
俺と春は手を取り合って喜んだ。
そして、俺はこのタイミングで春に訊いた。
「あ、あのさ」
「何?」
「補佐の件なんだけど」
「補佐がどうかしたの?」
「続けさせてくれないか? ずっと」
「えっ! それってつまり……。告白ってことだよね」
「そ、そうなるな。どう?」
「もちろん……おっけーだよ!」
「えっ! マジ!? やった!」
「これからもよろしくね、大樹」
「こちらこそよろしく、春」
そして俺達は付き合うことになった。
春の陽射しが暖かい。そんな日だった。
※
合格発表の日。
俺と冬真は光岡大学の掲示板の前。もう少しで合格発表がなされる。
俺は受験票とにらめっこして時間をつぶした。
そして、ついに合格発表。
ところどころ歓喜でわく、一方ではどよめきが聞こえる。
合格者が次々とラグビー部に胴上げされる中、俺はゆっくりと番号を追った。
「あった! あった!」
歓喜した。しかし、冬真は顔を曇らせながら番号を追っている。
「あったか?」
「待って……もう少し……」
「……」
「あった! あったよ大樹!」
「マジで!? やったな! おめでとう!」
「大樹こそ!」
俺と冬真は無事合格。残るは……。
春の姿を大勢の人の中から探す。しばらくたっても見つからない。
春は受かったのだろうか、受からなかったのだろうか、不安になる。
ふと、近くをよこぎった人が春の面影と重なる。
「春!」
振り向く女性は……。涙を流す春だった。
「春……。お前……。ダメだったのか……?」
しばらく沈黙したのち春が口を開く。
「私……、私……、光岡大学に……、受かってた……」
「えっ?」
「受かってた! 受かってたよ!」
「そりゃ良かった! これでみんな合格だ」
俺と春は手を取り合って喜んだ。
そして、俺はこのタイミングで春に訊いた。
「あ、あのさ」
「何?」
「補佐の件なんだけど」
「補佐がどうかしたの?」
「続けさせてくれないか? ずっと」
「えっ! それってつまり……。告白ってことだよね」
「そ、そうなるな。どう?」
「もちろん……おっけーだよ!」
「えっ! マジ!? やった!」
「これからもよろしくね、大樹」
「こちらこそよろしく、春」
そして俺達は付き合うことになった。
春の陽射しが暖かい。そんな日だった。
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