蝶々結びをして笑って。
「ふふっ…そうだね。ありがとう。」
綺乃はそう言って私の横を通りすぎた。
「…綺乃っ!」
私は思わず声をかけたが、綺乃はそれを無視して行ってしまった。
私はグッと唇を噛み締めて家に帰った。
…綺乃。
ごめん。
ごめんね。
今まで、ずっと先輩に虐められていたんでしょう?
あの時、私が綺乃を助けられていれば、未来は変わっていたかもしれないのに…。
ごめんなさい。
私は心から謝った。
心の中で、涙を流しながら謝った。
綺乃のメールアドレスと電話番号は変わってしまっていた。