それもまた一つの選択
月曜日、トキさんがいたら良いなあって思いながら放課後、図書室に行ってみた。
真剣に本を読むトキさんの席より2コ隣の席に座った。
凄く真剣で話しかけられない。
時間が来たらこっそりと帰ろう。
そう思って私も読みかけの小説をカバンから取り出した。
しばらく読んでいたけれど、16時を過ぎた時点で止めて本をカバンに入れた。
いつでも帰る準備をして。
「わあっ!!」
数分後、ようやく気がついたトキさん。
声が大きいです!
「トキさん、こんにちは」
「…こんにちは」
トキさんは本を閉じる。
…演劇史、か。
「…家に帰らなくていいの?」
「あと10分だけ」
トキさんの隣にいたかったのです。
「電車?」
「はい」
「俺も電車」
トキさんは立ち上がると
「じゃあ途中まで一緒に帰る?」
私、そんな事を言われたら本気にしちゃいますよ!
満面の笑みで何度も頷いちゃった!
トキさんは口元に少しだけ笑みを浮かべて本を棚へ返しに行った。
トキさんは駅まで一緒に帰る道中、何度も後ろを振り返っていた。
…きっと、気がついてる。
後を付けられている事を。
不安になってトキさんを見上げるとその度になんでもない、と言われる。
トキさん。
いつか真実を知ったら…。
私の事、軽蔑するんじゃないですか?
それが怖くて仕方がないんです。
真剣に本を読むトキさんの席より2コ隣の席に座った。
凄く真剣で話しかけられない。
時間が来たらこっそりと帰ろう。
そう思って私も読みかけの小説をカバンから取り出した。
しばらく読んでいたけれど、16時を過ぎた時点で止めて本をカバンに入れた。
いつでも帰る準備をして。
「わあっ!!」
数分後、ようやく気がついたトキさん。
声が大きいです!
「トキさん、こんにちは」
「…こんにちは」
トキさんは本を閉じる。
…演劇史、か。
「…家に帰らなくていいの?」
「あと10分だけ」
トキさんの隣にいたかったのです。
「電車?」
「はい」
「俺も電車」
トキさんは立ち上がると
「じゃあ途中まで一緒に帰る?」
私、そんな事を言われたら本気にしちゃいますよ!
満面の笑みで何度も頷いちゃった!
トキさんは口元に少しだけ笑みを浮かべて本を棚へ返しに行った。
トキさんは駅まで一緒に帰る道中、何度も後ろを振り返っていた。
…きっと、気がついてる。
後を付けられている事を。
不安になってトキさんを見上げるとその度になんでもない、と言われる。
トキさん。
いつか真実を知ったら…。
私の事、軽蔑するんじゃないですか?
それが怖くて仕方がないんです。