それもまた一つの選択
気が重い。
お弁当を半分残して蓋をした。
「あれ、もう食べないの?」
生野さんは私のお弁当箱を覗き込んだ。
「うん、いい」
彼女はふーん、と言うと急に
「ところでさ。
今井さん、彼氏とどんな風に遊んでるの?」
なんて聞くから固まった。
本当に止めて、お願い。
トキさんとの事、なんて答えたら良いのかわからない。
「今井さんの家って煩そうだからさあ。
彼氏さんとデートするのも大変じゃないかと」
「…デートはしてないと思う」
二人だけで出掛けた事なんてほとんどない。
「え、じゃあどうしているの?」
…これを言ったら絶対に言われるだろうな。
そう思ったから下を向いた。
「え、なに、どうしたの?」
お願い、下から覗き込まないで。
「彼の家で一緒にいる。話したり、お茶したり、本読んだり」
出来るだけ小さな声で言った。
生野さん、急に目を輝かせて
「じゃあ、やりたい放題ね!!」
あああ!!やっぱり!!
私は机の上に顔を伏せた。
「え、何がやりたい放題なの?」
ものすごーく天然的発言の平野さん。
「今井さん、大丈夫?やっぱり今日、調子悪いの?顔まで赤いよ?熱?」
でも、彼女のそんなところが私を完全に傷つけないでいてくれた。
「もう、真由も彼氏いるんだからそういう事、わかるでしょ?」
「え?何?」
あまりにも平野さんの回答が変だったので思わず顔を上げる。
平野さんは相変わらず美味しそうにお弁当を食べている。
「あ、良かった、大丈夫そうね」
平野さんのその笑顔に私は癒される。
本当に、可愛い。
「で、かれん。
今井さんに何をそんなに聞きたいの?
かれんこそ、年上の彼氏、いるんでしょ?
聞く事ないじゃない、何も」
もう、目から鱗とはこういう事を言うのだと思う。
生野さんはつまらなさそうな顔をして私を見ると
「でも、家に行くという事は毎回してるんでしょ?」
なぜそこへ持って行く?
「だから何をしているのよ?」
平野さん、ここまでくればあなたが一番強いのかもしれない。
「もう止めた!」
と言って生野さんが立ち上がって、正直ホッとした。
その手の話題は苦手だ…。
トキさんといちゃつきながらそういう戯言は言ったりするけど。
時々、高橋さんが私たちを冷やかしながらそんな話をしたりするけど。
2人は信頼しているから出来る事であって…生野さんに言えばあっという間にいろんな人に広がってしまう気がして。
本当に平野さんには感謝してる。
でも、私が言うのもなんだけど。
平野さん、大丈夫かしら…。
柏原君、お気の毒かも。
お弁当を半分残して蓋をした。
「あれ、もう食べないの?」
生野さんは私のお弁当箱を覗き込んだ。
「うん、いい」
彼女はふーん、と言うと急に
「ところでさ。
今井さん、彼氏とどんな風に遊んでるの?」
なんて聞くから固まった。
本当に止めて、お願い。
トキさんとの事、なんて答えたら良いのかわからない。
「今井さんの家って煩そうだからさあ。
彼氏さんとデートするのも大変じゃないかと」
「…デートはしてないと思う」
二人だけで出掛けた事なんてほとんどない。
「え、じゃあどうしているの?」
…これを言ったら絶対に言われるだろうな。
そう思ったから下を向いた。
「え、なに、どうしたの?」
お願い、下から覗き込まないで。
「彼の家で一緒にいる。話したり、お茶したり、本読んだり」
出来るだけ小さな声で言った。
生野さん、急に目を輝かせて
「じゃあ、やりたい放題ね!!」
あああ!!やっぱり!!
私は机の上に顔を伏せた。
「え、何がやりたい放題なの?」
ものすごーく天然的発言の平野さん。
「今井さん、大丈夫?やっぱり今日、調子悪いの?顔まで赤いよ?熱?」
でも、彼女のそんなところが私を完全に傷つけないでいてくれた。
「もう、真由も彼氏いるんだからそういう事、わかるでしょ?」
「え?何?」
あまりにも平野さんの回答が変だったので思わず顔を上げる。
平野さんは相変わらず美味しそうにお弁当を食べている。
「あ、良かった、大丈夫そうね」
平野さんのその笑顔に私は癒される。
本当に、可愛い。
「で、かれん。
今井さんに何をそんなに聞きたいの?
かれんこそ、年上の彼氏、いるんでしょ?
聞く事ないじゃない、何も」
もう、目から鱗とはこういう事を言うのだと思う。
生野さんはつまらなさそうな顔をして私を見ると
「でも、家に行くという事は毎回してるんでしょ?」
なぜそこへ持って行く?
「だから何をしているのよ?」
平野さん、ここまでくればあなたが一番強いのかもしれない。
「もう止めた!」
と言って生野さんが立ち上がって、正直ホッとした。
その手の話題は苦手だ…。
トキさんといちゃつきながらそういう戯言は言ったりするけど。
時々、高橋さんが私たちを冷やかしながらそんな話をしたりするけど。
2人は信頼しているから出来る事であって…生野さんに言えばあっという間にいろんな人に広がってしまう気がして。
本当に平野さんには感謝してる。
でも、私が言うのもなんだけど。
平野さん、大丈夫かしら…。
柏原君、お気の毒かも。