それもまた一つの選択
今日は一人、大学にやって来た。
図書館前でトキさんは待ってくれていた。
私を見つけた瞬間に手を振ってくれる。
そして、目を見開いて嬉しそうに笑ってくれるのがすごく好き。
でも。
昨日の…お母様の表情が浮かんできてトキさんの顔を真っ直ぐ見られない。
ランチも食べた気がしなかった。
そんな私を見てトキさんは今日は休講だから帰り、車で送ってくれると言われた。
「遥、話があるんだ」
車内に入るとトキさんは真剣な目を私に向ける。
「遥、目を閉じて」
「トキさん?」
そんな事、普段言わないから少し困惑する。
「大丈夫、変な事はしないから」
私はゆっくりと目を閉じた。
トキさんはそっと私の手を取り、何やらしている。
冷たい感覚が指に伝わる。
「いいよ、目を開けても」
そっと目を開けるとトキさんは私の手を握り続けていた。
そしてその間から見えたのは…
指輪。
しかも左薬指。
ダイヤが大きなものと小さなものが入っている。
「トキさん…?」
どうしよう、目の前が歪む。
「本当はクリスマスにでも渡そうと思っていたんだ。
でもね、今渡さないといけないって思って」
真っ直ぐトキさんの顔を見ているんだけど、涙で見えない。
「高校卒業したら俺と結婚して。
もし、卒業して大学や専門学校に行きたいなら行ってくれて構わない。
したい事をしてから、その後、子供も欲しい」
そんな事…。
私、どうしたらいいんだろう。
「トキさん…私、そんな言葉言ってもらえる資格なんてない」
昨日、言われたお母様のあの言葉。
きっとトキさんの仕事を手伝うにしても私は逆に足手まといになる。
「何で?お互い好きなのに?それとも遥は別の人を好きになったの?」
…私が好きなのは、トキさんだけだー!!
「…好きになんてならない!!トキさん以外、誰も好きにならないわよ!!」
トキさんの頬を両手で挟んだ。
ようやく真っ直ぐ見えた、トキさんの顔は。
もう、仕方ないなあっていう顔をして苦笑いをしていた。
うん。
自分でもわかっているよ、鼻水ズルズル。
「はいはい、お嬢様。
酷い顔をされていますよ~!」
トキさんに思いっきりティッシュで顔を拭かれる。
「高校卒業した日に、入籍予定だから。
それまでに俺は全ての準備を整える。
遥のご両親にも挨拶に行く。
わかってもらえるまで、通い続けるから」
トキさんのその想い、嬉しいけれど…。
私がそれに応えられるんだろうか。
不安ばかりが先行し始めた。
図書館前でトキさんは待ってくれていた。
私を見つけた瞬間に手を振ってくれる。
そして、目を見開いて嬉しそうに笑ってくれるのがすごく好き。
でも。
昨日の…お母様の表情が浮かんできてトキさんの顔を真っ直ぐ見られない。
ランチも食べた気がしなかった。
そんな私を見てトキさんは今日は休講だから帰り、車で送ってくれると言われた。
「遥、話があるんだ」
車内に入るとトキさんは真剣な目を私に向ける。
「遥、目を閉じて」
「トキさん?」
そんな事、普段言わないから少し困惑する。
「大丈夫、変な事はしないから」
私はゆっくりと目を閉じた。
トキさんはそっと私の手を取り、何やらしている。
冷たい感覚が指に伝わる。
「いいよ、目を開けても」
そっと目を開けるとトキさんは私の手を握り続けていた。
そしてその間から見えたのは…
指輪。
しかも左薬指。
ダイヤが大きなものと小さなものが入っている。
「トキさん…?」
どうしよう、目の前が歪む。
「本当はクリスマスにでも渡そうと思っていたんだ。
でもね、今渡さないといけないって思って」
真っ直ぐトキさんの顔を見ているんだけど、涙で見えない。
「高校卒業したら俺と結婚して。
もし、卒業して大学や専門学校に行きたいなら行ってくれて構わない。
したい事をしてから、その後、子供も欲しい」
そんな事…。
私、どうしたらいいんだろう。
「トキさん…私、そんな言葉言ってもらえる資格なんてない」
昨日、言われたお母様のあの言葉。
きっとトキさんの仕事を手伝うにしても私は逆に足手まといになる。
「何で?お互い好きなのに?それとも遥は別の人を好きになったの?」
…私が好きなのは、トキさんだけだー!!
「…好きになんてならない!!トキさん以外、誰も好きにならないわよ!!」
トキさんの頬を両手で挟んだ。
ようやく真っ直ぐ見えた、トキさんの顔は。
もう、仕方ないなあっていう顔をして苦笑いをしていた。
うん。
自分でもわかっているよ、鼻水ズルズル。
「はいはい、お嬢様。
酷い顔をされていますよ~!」
トキさんに思いっきりティッシュで顔を拭かれる。
「高校卒業した日に、入籍予定だから。
それまでに俺は全ての準備を整える。
遥のご両親にも挨拶に行く。
わかってもらえるまで、通い続けるから」
トキさんのその想い、嬉しいけれど…。
私がそれに応えられるんだろうか。
不安ばかりが先行し始めた。