それもまた一つの選択
年が明けると月1〜2でお見合いの予定を入れられた。
毎回お断りしている。
本当に意味がない。
季節は巡って、春。
トキさんと出会って2回目の春がやってきた。
トキさんは大学2年生に、私は高校3年生になっていた。
暖かい日差しが入る図書室に私は一人、いた。
今日は全く人がいない。
トキさんも大好きな星座の本を手に取り、パラパラと見ていた。
本当の夜空の星をいつかトキさんと見たい。
それが私の夢。
いつの間にか寝てた。
パッと目を開けると。
トキさんの顔が目の前にあって…至近距離で目が合った。
「わ…どうしてここにいるの?」
「新一年生の為に来週、高校の体育館で講演するんだ。
俺の仕事の事や大学生活の話とか。
その打ち合わせで今日、職員室に来たんだよ。
遥、図書室にいるかなって来たらやっぱりいた。
寝顔、無防備だよ」
トキさんはそう言って私の唇を撫でた。
ちょっと、トキさん。
誰もいないからといって大胆。
挑発しないで〜!
「先生がいなければキスしたのになあ」
トキさんはチラッと司書の先生がいる小さな部屋を見た。
先生はこちらの視線に気がつくとそこから出てきた。
「二人の姿、久々に見たわ〜」
「中々ここには来られないですしね」
トキさんは立ち上がって先生にお辞儀をする。
「藤野君、なんだか大人っぽくなったわね。
色気が増したというか、何というか。
…モテるんじゃない?」
先生は何故かチラッと私を見つめた。
「遥以外にモテても仕方がないですよ」
なんてトキさん言うから!
私の顔、真っ赤だと思う。
「まあ、ごちそうさまです。本当に二人、仲が良いのね」
「先生、これ以上言うと遥が倒れるから止めてください」
トキさんは苦笑いしながら返す。
もう!
わざとトキさん、そんな事を言う!
私が恥ずかしがるのを楽しんでいる時がある。
「来年はこの光景も見られなくなるのね。
二人お似合いだから見ていて微笑ましかったのよね。
ちょっと寂しいなあ」
と言って先生は元の部屋へ戻っていった。
トキさんはそのまま席に座り、星座の本を手に取る。
「一緒に見よう」
私も頷いて隣の席に座る。
この本、トキさんの家にもあってよく見ているけど、飽きない。
二人とも、大好きな本。
「いつか本当に星空を見に行きたいな」
何気に呟いたその言葉。
「来年の今頃は見てると思うよ」
そう返されて、半信半疑で頷く。
そうであって欲しい。
願いは益々強くなる。
毎回お断りしている。
本当に意味がない。
季節は巡って、春。
トキさんと出会って2回目の春がやってきた。
トキさんは大学2年生に、私は高校3年生になっていた。
暖かい日差しが入る図書室に私は一人、いた。
今日は全く人がいない。
トキさんも大好きな星座の本を手に取り、パラパラと見ていた。
本当の夜空の星をいつかトキさんと見たい。
それが私の夢。
いつの間にか寝てた。
パッと目を開けると。
トキさんの顔が目の前にあって…至近距離で目が合った。
「わ…どうしてここにいるの?」
「新一年生の為に来週、高校の体育館で講演するんだ。
俺の仕事の事や大学生活の話とか。
その打ち合わせで今日、職員室に来たんだよ。
遥、図書室にいるかなって来たらやっぱりいた。
寝顔、無防備だよ」
トキさんはそう言って私の唇を撫でた。
ちょっと、トキさん。
誰もいないからといって大胆。
挑発しないで〜!
「先生がいなければキスしたのになあ」
トキさんはチラッと司書の先生がいる小さな部屋を見た。
先生はこちらの視線に気がつくとそこから出てきた。
「二人の姿、久々に見たわ〜」
「中々ここには来られないですしね」
トキさんは立ち上がって先生にお辞儀をする。
「藤野君、なんだか大人っぽくなったわね。
色気が増したというか、何というか。
…モテるんじゃない?」
先生は何故かチラッと私を見つめた。
「遥以外にモテても仕方がないですよ」
なんてトキさん言うから!
私の顔、真っ赤だと思う。
「まあ、ごちそうさまです。本当に二人、仲が良いのね」
「先生、これ以上言うと遥が倒れるから止めてください」
トキさんは苦笑いしながら返す。
もう!
わざとトキさん、そんな事を言う!
私が恥ずかしがるのを楽しんでいる時がある。
「来年はこの光景も見られなくなるのね。
二人お似合いだから見ていて微笑ましかったのよね。
ちょっと寂しいなあ」
と言って先生は元の部屋へ戻っていった。
トキさんはそのまま席に座り、星座の本を手に取る。
「一緒に見よう」
私も頷いて隣の席に座る。
この本、トキさんの家にもあってよく見ているけど、飽きない。
二人とも、大好きな本。
「いつか本当に星空を見に行きたいな」
何気に呟いたその言葉。
「来年の今頃は見てると思うよ」
そう返されて、半信半疑で頷く。
そうであって欲しい。
願いは益々強くなる。