それもまた一つの選択
「ちょっとは落ち着いたか?」
部屋を出たのは午後4時を回っていた。
高橋と城田さんは優雅にティータイムを楽しんでいた。
いや、楽しんでくれていた。
そうやってずーっと俺達を待ってくれていた。
4時間ほど。
遥が着ていたワンピースは…俺が怒りのあまり破いてしまったので今は俺のTシャツとハーフパンツを着ている。
「はい、ありがとうございました」
遥がそう高橋に返事をすると高橋はニヤッ、と笑った。
「そうか、良かった」
「城田さん、私、帰ります」
城田さんもにっこりとほほ笑んで
「左様でございますか。では私がお送りいたします」
さっき部屋でイチャつきながら遥は家に帰る、と言っていた。
『この服で帰ったらきっとこれがどういう事か、くらいお母様わかるよね』
と少し切なそうな顔をしていたのには胸が痛い。
遥だって、本当は正々堂々としていたいに違いない。
「あ~あ」
高橋も城田さんもいる前で遥は俺に抱きついた。
「もう少しだけ、このままがいい」
遥は俺の腕の中で大きく深呼吸をする。
「トキさんの匂い、しっかりと私の中に入れておきたい」
そんな遥をそっと抱きしめる。
…目の前には高橋も城田さんもいる。
いつもなら高橋はヤイヤイ文句言うのだが今日は微笑んでこちら見ていた。
全く、遥がするなら許せるのか!?
「遥、また夏休みになったら毎日おいでよ」
そう、もうすぐ夏休み。
「日帰りで海にも行こう。
今のうちに二人であちこち行けるだけ行こう」
俺、仕事いっぱい抱えているけどね。
前期試験も真っ最中だけど…
どうにかして終わらせるし。
「うん、楽しみにしてる」
ようやく、本来の笑みが戻ってきた。
「良かったですね、お嬢様」
城田さんの優しい声が心地よい。
遥も嬉しそうに頷くと城田さんは真剣な表情で俺を見つめ
「藤野様、どうかお嬢様をよろしくお願いいたします。
お嬢様を助けられるのは…藤野様しかいません」
「…善処いたします」
不安な事も多い。
果たしてどこまで出来るのか…。
遥と城田さんを見送りながら、俺はある計画を頭の中で練っていた。
部屋を出たのは午後4時を回っていた。
高橋と城田さんは優雅にティータイムを楽しんでいた。
いや、楽しんでくれていた。
そうやってずーっと俺達を待ってくれていた。
4時間ほど。
遥が着ていたワンピースは…俺が怒りのあまり破いてしまったので今は俺のTシャツとハーフパンツを着ている。
「はい、ありがとうございました」
遥がそう高橋に返事をすると高橋はニヤッ、と笑った。
「そうか、良かった」
「城田さん、私、帰ります」
城田さんもにっこりとほほ笑んで
「左様でございますか。では私がお送りいたします」
さっき部屋でイチャつきながら遥は家に帰る、と言っていた。
『この服で帰ったらきっとこれがどういう事か、くらいお母様わかるよね』
と少し切なそうな顔をしていたのには胸が痛い。
遥だって、本当は正々堂々としていたいに違いない。
「あ~あ」
高橋も城田さんもいる前で遥は俺に抱きついた。
「もう少しだけ、このままがいい」
遥は俺の腕の中で大きく深呼吸をする。
「トキさんの匂い、しっかりと私の中に入れておきたい」
そんな遥をそっと抱きしめる。
…目の前には高橋も城田さんもいる。
いつもなら高橋はヤイヤイ文句言うのだが今日は微笑んでこちら見ていた。
全く、遥がするなら許せるのか!?
「遥、また夏休みになったら毎日おいでよ」
そう、もうすぐ夏休み。
「日帰りで海にも行こう。
今のうちに二人であちこち行けるだけ行こう」
俺、仕事いっぱい抱えているけどね。
前期試験も真っ最中だけど…
どうにかして終わらせるし。
「うん、楽しみにしてる」
ようやく、本来の笑みが戻ってきた。
「良かったですね、お嬢様」
城田さんの優しい声が心地よい。
遥も嬉しそうに頷くと城田さんは真剣な表情で俺を見つめ
「藤野様、どうかお嬢様をよろしくお願いいたします。
お嬢様を助けられるのは…藤野様しかいません」
「…善処いたします」
不安な事も多い。
果たしてどこまで出来るのか…。
遥と城田さんを見送りながら、俺はある計画を頭の中で練っていた。