それもまた一つの選択
俺は今井商事の人質だ - 都貴 -
「へえ〜」
と言うしかなかった。
遥は目を輝かせて服を選んでいる。
こんなの、俺は見た事がない世界。
ロリィタと呼ばれるファッション。
拓海君の彼女、平野さんもこういう世界の人か。
だから躊躇なくレースクイーンが出来るのかもしれない。
まあ、平野さんはスタイル良いし。
それはさておき。
値札を何気に見たら…。
ブラウス2万?
それに合わせるスカート3万?
ワンピース5万?
靴3万?
んー?
「うーん…」
遥、お嬢様なのにちゃんと値札、見てる。
案外、堅実なのか。
「トキさん、やっぱりいい。私には似合わないと思う」
なんて言うので店員さんを呼んだ。
「彼女に合いそうなものを選んでください。
ワンピースと、あとは上下の組み合わせ2セット。
靴もあまりヒールのないもので合わせやすいものを」
まあ、この店ではこれくらいで良いだろう。
俺の服も買わねばならんのであと必要な物はこの後、一緒に買えば良い。
「トキさん?」
遥の顔が強張った。
「高いし、良いから!」
俺は遥の額を突いた。
「良いよ、これくらい」
普段の遥は質の良い物を上手く着回している。
それなりにお金が掛かっているとは思うけど、遥がこの値段を見てビックリするという事は。
普段はお母さんやお祖母さんが買って既に用意されているんだろうな。
遥が本当に欲しいなら。
それくらいは俺が買う。
初めて、自分の意思で服を選んだんだろ?
「トキさん、見て〜!」
ワンピースはそれ程派手でもなく、これなら一緒に歩いてもおかしくない。
「うん、似合ってる」
遥は嬉しそうに笑った。
総額20万弱。
「…本当に良いの?」
会計が終わり、店を出てからそんな事を言うので大笑いしてしまった。
「良いから買ったんだよ」
頭を撫でると何度もありがとう、を言われた。
この時は、まあ、たまにはこういう服も良いだろう。
そう思っていたんだけど。
後々考えたら。
このファッションに出会ってしまったが為に自分の子供を巻き込んでとんでもない行動を起こす事になるとは、この時は俺もまだわかっていなかった。
と言うしかなかった。
遥は目を輝かせて服を選んでいる。
こんなの、俺は見た事がない世界。
ロリィタと呼ばれるファッション。
拓海君の彼女、平野さんもこういう世界の人か。
だから躊躇なくレースクイーンが出来るのかもしれない。
まあ、平野さんはスタイル良いし。
それはさておき。
値札を何気に見たら…。
ブラウス2万?
それに合わせるスカート3万?
ワンピース5万?
靴3万?
んー?
「うーん…」
遥、お嬢様なのにちゃんと値札、見てる。
案外、堅実なのか。
「トキさん、やっぱりいい。私には似合わないと思う」
なんて言うので店員さんを呼んだ。
「彼女に合いそうなものを選んでください。
ワンピースと、あとは上下の組み合わせ2セット。
靴もあまりヒールのないもので合わせやすいものを」
まあ、この店ではこれくらいで良いだろう。
俺の服も買わねばならんのであと必要な物はこの後、一緒に買えば良い。
「トキさん?」
遥の顔が強張った。
「高いし、良いから!」
俺は遥の額を突いた。
「良いよ、これくらい」
普段の遥は質の良い物を上手く着回している。
それなりにお金が掛かっているとは思うけど、遥がこの値段を見てビックリするという事は。
普段はお母さんやお祖母さんが買って既に用意されているんだろうな。
遥が本当に欲しいなら。
それくらいは俺が買う。
初めて、自分の意思で服を選んだんだろ?
「トキさん、見て〜!」
ワンピースはそれ程派手でもなく、これなら一緒に歩いてもおかしくない。
「うん、似合ってる」
遥は嬉しそうに笑った。
総額20万弱。
「…本当に良いの?」
会計が終わり、店を出てからそんな事を言うので大笑いしてしまった。
「良いから買ったんだよ」
頭を撫でると何度もありがとう、を言われた。
この時は、まあ、たまにはこういう服も良いだろう。
そう思っていたんだけど。
後々考えたら。
このファッションに出会ってしまったが為に自分の子供を巻き込んでとんでもない行動を起こす事になるとは、この時は俺もまだわかっていなかった。