それもまた一つの選択
露天風呂は長湯しても良いくらいの、気持ち良い温度。
今日の空はよく晴れていて、星が綺麗に見えている。
ようやく、二人の夢が叶った。
こと座のベガは織姫。
わし座のアルタイルは彦星。
残念ながらもう七夕は終わっているが。
「はくちょう座のデネブ…お腹の赤ちゃんみたい」
なんて遥が言うから目を丸くすると
「夏の大三角形…離れていても強く結ばれているから、家族みたいだよねえ」
夫婦・親子の三角関係か。
へえ、遥、上手い事言う。
「じゃあ、天の川をずっと追って…赤い星」
俺は南の空に見える星を指差す。
「アンタレス?」
そう、さそり座のアンタレス。
「あれは高橋だな。あいつさそり座だし、遠方に居ても色々と俺達を操っている!!」
遥は一瞬吹き出したが、すぐに真顔になり
「高橋さん、家に戻っちゃうのかな」
「さあ、どうだろう」
正直、一緒にいてくれて助かった部分は大きい。
いつかは別々の道を歩んでいくんだけど。
…でもそれを考えると絶望しか感じない自分がいる。
遥の妊娠でそれぞれが大きな人生の岐路に立たされたようだ。
「高橋さんのおにぎり、大好きなのになあ」
…遥、お前にとって高橋はおにぎりを作ってくれる人なのか?
俺も作っているのになぜ、俺の名前が先に出てこないんだ!?
遥の中では俺が一番じゃないのかー?
「ふーん、じゃあ俺のおにぎりは嫌いなんだな?」
ちょっとジェラシー。
「えー…トキさんのおにぎりは普通だから」
「は?」
「高橋さんはご飯が余っていたら超特大おにぎり、4種具入りを作ってくれるから!!」
…あ、そう。
それは高橋の方が上手だな。
「あー…そうですかー…」
俺は露天風呂の中で遥を抱っこしていたが遥をそっと置いて上がった。
「トキさん、ひょっとして焼いてるの―?」
部屋に入って振り返った時の遥の…嬉しそうな顔。
うわあ…ムカつく。
「あとで覚えておけよ」
タオルで体を拭きながら遥にそんな言葉を投げかけると
「トキこそ、憤死するなよ!!」
…どこでそんな言葉を覚えてくるんだ?
しかも呼び捨て?
「ふーん、遥。俺を呼び捨てにして更に捨て台詞か」
何だかこの会話、高橋や俺の家族としているような感じがする。
遥とこんな会話をするとは…。
「だって、トキさんに本気で言葉で攻撃されたら絶対に勝てないからそういう時は呼び捨てにしてみろって言われた」
「…誰に?」
「秘密」
本気でムカつく。
「遥、こっちにおいで」
「嫌、トキさん、今、超危険」
遥は風呂から上がって後ずさり。
その瞬間、遥が逃げられないくらいのスピードで走って遥を捕まえ、お姫様抱っこしてやった。
「あー!!トキさん、離せええ!!」
足をバタバタさせても無駄だー!!
「遥、お腹にまだ心拍未確認とはいえ、赤ちゃんがいるからあまり手荒な事をしたくないが…
覚悟しろよ、明日、起きられなくしてやる」
「あー!!トキさんのお尻から悪魔の尻尾が生えてる!!」
「生えてない、俺は普通の人間だ」
「頭の角が悪魔!!」
「そんなものも生えてない」
真顔で言ってやった。
「トキさん、ドS~!!」
「何とでも言えー」
そのまま、遥をベッドの上に降ろす。
「さあ、覚悟しろ?」
俺はビビりまくっている遥を見ながら、笑いをこらえつつ。
その唇にキスをした。
今日の空はよく晴れていて、星が綺麗に見えている。
ようやく、二人の夢が叶った。
こと座のベガは織姫。
わし座のアルタイルは彦星。
残念ながらもう七夕は終わっているが。
「はくちょう座のデネブ…お腹の赤ちゃんみたい」
なんて遥が言うから目を丸くすると
「夏の大三角形…離れていても強く結ばれているから、家族みたいだよねえ」
夫婦・親子の三角関係か。
へえ、遥、上手い事言う。
「じゃあ、天の川をずっと追って…赤い星」
俺は南の空に見える星を指差す。
「アンタレス?」
そう、さそり座のアンタレス。
「あれは高橋だな。あいつさそり座だし、遠方に居ても色々と俺達を操っている!!」
遥は一瞬吹き出したが、すぐに真顔になり
「高橋さん、家に戻っちゃうのかな」
「さあ、どうだろう」
正直、一緒にいてくれて助かった部分は大きい。
いつかは別々の道を歩んでいくんだけど。
…でもそれを考えると絶望しか感じない自分がいる。
遥の妊娠でそれぞれが大きな人生の岐路に立たされたようだ。
「高橋さんのおにぎり、大好きなのになあ」
…遥、お前にとって高橋はおにぎりを作ってくれる人なのか?
俺も作っているのになぜ、俺の名前が先に出てこないんだ!?
遥の中では俺が一番じゃないのかー?
「ふーん、じゃあ俺のおにぎりは嫌いなんだな?」
ちょっとジェラシー。
「えー…トキさんのおにぎりは普通だから」
「は?」
「高橋さんはご飯が余っていたら超特大おにぎり、4種具入りを作ってくれるから!!」
…あ、そう。
それは高橋の方が上手だな。
「あー…そうですかー…」
俺は露天風呂の中で遥を抱っこしていたが遥をそっと置いて上がった。
「トキさん、ひょっとして焼いてるの―?」
部屋に入って振り返った時の遥の…嬉しそうな顔。
うわあ…ムカつく。
「あとで覚えておけよ」
タオルで体を拭きながら遥にそんな言葉を投げかけると
「トキこそ、憤死するなよ!!」
…どこでそんな言葉を覚えてくるんだ?
しかも呼び捨て?
「ふーん、遥。俺を呼び捨てにして更に捨て台詞か」
何だかこの会話、高橋や俺の家族としているような感じがする。
遥とこんな会話をするとは…。
「だって、トキさんに本気で言葉で攻撃されたら絶対に勝てないからそういう時は呼び捨てにしてみろって言われた」
「…誰に?」
「秘密」
本気でムカつく。
「遥、こっちにおいで」
「嫌、トキさん、今、超危険」
遥は風呂から上がって後ずさり。
その瞬間、遥が逃げられないくらいのスピードで走って遥を捕まえ、お姫様抱っこしてやった。
「あー!!トキさん、離せええ!!」
足をバタバタさせても無駄だー!!
「遥、お腹にまだ心拍未確認とはいえ、赤ちゃんがいるからあまり手荒な事をしたくないが…
覚悟しろよ、明日、起きられなくしてやる」
「あー!!トキさんのお尻から悪魔の尻尾が生えてる!!」
「生えてない、俺は普通の人間だ」
「頭の角が悪魔!!」
「そんなものも生えてない」
真顔で言ってやった。
「トキさん、ドS~!!」
「何とでも言えー」
そのまま、遥をベッドの上に降ろす。
「さあ、覚悟しろ?」
俺はビビりまくっている遥を見ながら、笑いをこらえつつ。
その唇にキスをした。