それもまた一つの選択
2度目の産婦人科。
俺と遥が病院に入るとそこにいらっしゃる皆さんの視線が突き刺さる。
明らかに若い二人が入ってくると、色々な憶測が飛び交うらしい。
遥の診察中、俺は待合室にいた。
お腹の大きい妊婦さん。
それに付き添う旦那さん。
でも中には。
浮かない顔をしている人もいる。
色々な物語がここにはある、と思う。
俺は今日何とかここで心拍を確認したい。
遥のお腹の中にいる子が。
確実に生きている、という事を。
しっかりと刻みたい、自分の胸に。
それさえあれば。
この先、どんな困難があろうとも乗り越えて行ける気がする。
診察室から出てきた遥は真っ直ぐ、俺のところにやって来た。
緊張する。
あまりに遥が真顔だから何かあったのかと思う。
そのまま俺の隣にちょこんと座って、俺の手を握ってきた。
「トキさん」
ゆっくりと遥はこちらに顔を向ける。
「このまま4月まで何事もなければ、トキさんはお父さんになります」
人目なんかどうでも良い。
その瞬間、遥を思いっきり抱きしめていた。
自分の中の予感が、確信に変わった。
これで俺は乗り越えて行ける。
「遥、絶対に無理しちゃダメだよ?」
俺の腕の中で遥は微笑んで頷いた。
こんな幸せを感じた事、今までなかった。
心の底から震える、という事を今、ここで初めて感じるなんて。
「トキさん、早く家に行って荷物まとめたい」
会計を済ませると遥は俺の手を引っ張る。
嬉しそうに笑う遥を見て、俺のしている事は間違っていない、とそう思える。
…デキ婚は本当に避けたかったけれど、それを払拭してくれる遥の笑顔。
「うん、でもそんなに早く、荷物まとめられるの?」
女の子の必須アイテムっていっぱいあるイメージ。
優貴も何やらいっぱい持ってるし。
「私、そんなにお洋服も持ってないし。
その他のモノってトキさんの邪魔になるようなものがたくさんあるから持って行かない」
そんなものなのか。
俺と遥が病院に入るとそこにいらっしゃる皆さんの視線が突き刺さる。
明らかに若い二人が入ってくると、色々な憶測が飛び交うらしい。
遥の診察中、俺は待合室にいた。
お腹の大きい妊婦さん。
それに付き添う旦那さん。
でも中には。
浮かない顔をしている人もいる。
色々な物語がここにはある、と思う。
俺は今日何とかここで心拍を確認したい。
遥のお腹の中にいる子が。
確実に生きている、という事を。
しっかりと刻みたい、自分の胸に。
それさえあれば。
この先、どんな困難があろうとも乗り越えて行ける気がする。
診察室から出てきた遥は真っ直ぐ、俺のところにやって来た。
緊張する。
あまりに遥が真顔だから何かあったのかと思う。
そのまま俺の隣にちょこんと座って、俺の手を握ってきた。
「トキさん」
ゆっくりと遥はこちらに顔を向ける。
「このまま4月まで何事もなければ、トキさんはお父さんになります」
人目なんかどうでも良い。
その瞬間、遥を思いっきり抱きしめていた。
自分の中の予感が、確信に変わった。
これで俺は乗り越えて行ける。
「遥、絶対に無理しちゃダメだよ?」
俺の腕の中で遥は微笑んで頷いた。
こんな幸せを感じた事、今までなかった。
心の底から震える、という事を今、ここで初めて感じるなんて。
「トキさん、早く家に行って荷物まとめたい」
会計を済ませると遥は俺の手を引っ張る。
嬉しそうに笑う遥を見て、俺のしている事は間違っていない、とそう思える。
…デキ婚は本当に避けたかったけれど、それを払拭してくれる遥の笑顔。
「うん、でもそんなに早く、荷物まとめられるの?」
女の子の必須アイテムっていっぱいあるイメージ。
優貴も何やらいっぱい持ってるし。
「私、そんなにお洋服も持ってないし。
その他のモノってトキさんの邪魔になるようなものがたくさんあるから持って行かない」
そんなものなのか。